実は間違っているチンチロの確率の解説
「普通の賽を使えば」
「引き分けの目は出てくる……!」
「1/216ほど……!」
(賭博破戒録カイジ第45話)
これは黒崎の台詞ですね。
詳しく説明しますと、大槻は四五六賽を使ったイカサマの罰として、
六面全てが1のサイコロ3個をカイジ達45組が回して使うというルールで勝負続行をさせられます。
ピンゾロは最強の役なので、多額の負けを回避するにはピンゾロで引き分けを狙うしかありません。
しかし、この1/216という確率は間違っています。
チンチロリンのルールをもう一度確認してみましょう。
チンチロリンにおいて、目なしが出た場合に限りサイコロをもう一度振ることができます。
ただし、サイコロは最大三回までしか振れませんので、ピンゾロが出る可能性としては、
・1投目:ピンゾロ
・1投目:目なし、2投目:ピンゾロ
・1投目:目なし、2投目:目なし、3投目:ピンゾロ
の三通りが考えられます。一投ごとに目なしが 1/2 の確率、ピンゾロが 1/216 の確率で出ますので、
三投目まででピンゾロが出る確率は、
1/216 + 1/2 × 1/216 + 1/2 × 1/2 × 1/216 = 7/864
です。まあ、こんな正確な説明を入れては話のテンポが悪くなりますから、
あれはあれでよかったのでしょう。
これは、他の役や目についても同じことが言えます。
つまり一投目で出る確率がrの役は、三投目までで7r/4の確率で出ます。
表にまとめると以下の通りです。
| 1投まで | 3投まで | 勝率 | 引分率 | 負率 | |
| 1ゾロ | 1/216 | 7/864 | 99.2% | 0.8% | 0.0% |
| ゾロ目 | 5/216 | 35/864 | 95.1% | 4.1% | 0.8% |
| 四五六 | 6/216 | 42/864 | 90.2% | 4.9% | 4.9% |
| 6 | 15/216 | 105/864 | 78.1% | 12.2% | 9.7% |
| 5 | 15/216 | 105/864 | 65.9% | 12.2% | 21.9% |
| 4 | 15/216 | 105/864 | 53.8% | 12.2% | 34.0% |
| 3 | 15/216 | 105/864 | 41.7% | 12.2% | 46.2% |
| 2 | 15/216 | 105/864 | 29.5% | 12.2% | 58.3% |
| 1 | 15/216 | 105/864 | 17.4% | 12.2% | 70.5% |
| 目なし | 1/2 | 1/8 | 4.9% | 12.5% | 82.6% |
| 一二三 | 6/216 | 42/864 | 0.0% | 4.9% | 95.1% |
この表を見ると、以下の説明や大槻班長の台詞も正しくないことがわかります。
単純に目が出た時の確率のみを考えても5の目は
まず7割5分負けを知らぬ目
それにチンチロはサイを振っても目が出ないことも結構あり
この目なしも勘定に入れれば5はもう9割近く負けを知らぬ目といっていいだろう……!
(賭博破戒録カイジ第16話)
確かに6を出されちゃあ…
9割9分………勝ちはカイジ君のもの…
それはそう……
(賭博破戒録カイジ第18話)
5が負ける確率は 21.9% (189/864) なので9割近く負けを知らぬ、というわけではありません。 四五六以上の役が出る確率も 9.7% (84/864) と1割近くにもなりますので、6が出ても9割9分勝ちではありません。