四五六賽の効果的な使い方

「………班長には………ちょっとした癖があるのさ………!」
「場が沸騰して………まさに今…ここぞって時………」
「勝負強くなる癖がっ……!」
(賭博破戒録カイジ第23話)

 賭博破戒録カイジ第23話で、カイジが大槻(班長)の目を四五六と言い当てるシーンを見てみましょう。 大槻の前に金がないので、大槻が親だとわかります。 そして子の張った額は大体 1000 強です。 賭場の参加者は14人で、班長グループ3人を除くと11人です。 この11人が仮に全員 1500 張っているとし、 班長が四五六を出すと、計 33000 の勝ちとなります。 ゾロ目の場合は計 49500 の勝ちですね。

「ここにいるみんなは慢性的に金欠気味……」
(賭博破戒録カイジ第11話)

という大槻の台詞、それからカイジが参加した最初のチンチロリンでも、 三好がカイジの3000張りに驚いていたこと、を考えると、 子の張りの合計が 20000 を超えるのはかなり珍しいことになります。 サイコロ一振りで稼げる額は 50000 が上限でしょう。
 一方で、大槻は別の大きな収入源を持っていることを忘れてはいけません。 そう、給料前借り制度のピンハネですね。 給料前貸しのピンハネはと言いますと、 一ヶ月分の給料を前貸しした場合 60000 ペリカなので正規の給料 91000 ペリカとの差額 31000 ペリカが儲けになります。 そして、二ヶ月分の給料を前貸しした場合 45000 ペリカなので正規の給料 91000 ペリカとの差額 46000 ペリカが儲けになります。
 大槻が最初の賭場で、カイジの親の二回目に 20000 ペリカを張ったシーンがありましたね。 この勝負では大槻に5ゾロを出されてカイジは 60000 ペリカ負けて借金をする羽目になりました。 二ヶ月分の前貸しは、77000 ペリカの搾取になります。 実は、賭場での勝ちよりも給料前貸しによるピンハネの方が利益になるのですね。
 たとえば、残り 1000 しか持っていない班員が最後の勝負!と子で全額張ったとしましょう。 それに対して大槻が456で勝つと、博打自体の収入は 2000 にしかなりませんが、 給料前貸しのピンハネ分は 31000 にもなります。 しかも、この 31000 はその班員が次の月の給料を拒否しない限りは、毎月ピンハネできます。
 つまり、賭場で勝って稼ぐよりもピンハネシステムの方が圧倒的に効率的です。 自ずと四五六賽の効果的な使い方が見えてきますね。 場が沸騰して大張りした子が多いときに使うよりも、 負けが込んでいる班員が残った小額の金を最後の勝負につぎ込んだときに使うほうが効果的です。
 というよりも、博打の相手がそこまで追い込まれているのなら四五六賽を使わないで普通に勝ってしまえばいいんですけどね。

「ハハハッ……!」
「悪いな皆の衆っ……!」
(賭博破戒録カイジ第23話)

 と得意げに鷹揚に振る舞う大槻。こういう助平心のない男だったら、もっと確実に安全に儲けられたのですが。 静かに目立たずに利益を求めるというのは想像以上に難しいですね。



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