斎藤が警察官をやっている理由
まずはこの場面を見てみましょう。

完全版の13巻より、斎藤は国家機構に属していることが情報収集に便利だから、 というのが警視庁の密偵をやっている理由の一つ、と言っています。 つまり他にも理由があるのです。その理由とは何でしょうか。 他のシーンも見て検証してみましょう。

その最大の理由がこれでしょうね。警察というのは新撰組と職務と存在理由が同じなので、 斎藤にとって警察官というのは性が合っているのです。 剣心との対比で、どうも斎藤にはややダークなイメージがあるのですが、 斎藤は民衆の生活を守ることを行動原理としている正義の人なのです。 志々雄が言うところの白か黒かでは、白を選ぶ人なんですね。 ただ正義のために手段を選ばない人でもあり、そこが剣心との対立軸になっているのです。

次に完全版6巻より、赤末と渋海を殺害する場面です。 明治に巣食うダニを始末するため、というのが警視庁の密偵をやっている理由だそうです。 私欲に溺れるなら大久保だろうと斬り捨てる、と言って司法省書記の渋海を殺害します。 誰にも飼えない壬生の狼を自任するだけあって、恐ろしい男です。 政府に服従しつつ、自分に命令を下す立場である政治家すら時として殺す、と言っているのですからね。

完全版の6巻より。これも斎藤が警官をやっている理由の一つに数えられるでしょう。 つまり、警官ならば廃刀令が出た後の世の中でも合法的に堂々と日本刀を持ち歩くことができるのです。 斎藤が宇水に語ったように、悪・即・斬を死ぬまで貫くには、武器である日本刀は不可欠ですからね。

完全版の17巻より。

完全版の5巻より。こうして見ると、斎藤は刃衛ほどではないにしろ結構な危険人物ですね。
張との会話からは明確に殺人欲が見えます。
酒が入ると人が斬りたくなるなんて、酒乱DV夫なんてメじゃないですね。
明治になってからは酒は控えているそうですが、当然でしょう。
斎藤も既婚者ですから、酔って帰ったりしたら何が起こるか……。
しかし、刃衛のような人格破綻者とは違い、危険人物ながらうまく明治という平和な世に適応しているのですね。
合法的に武器を持ち、合法的に正義を貫き、悪人を殺すために警察官をやっているわけです。
法と秩序を守ることが斎藤が生きる上での不文律なのでしょう。